ホーム  > ブログ一覧  > 色

ブログ

2019.04.08


万葉の時代、色は匂うものと表現されましたが、すみません、今日はそれとは
全然関係ないCMYKとRGBの話です。

 

環境光を反射させてインクの色を見る「紙」と自己発光する「モニタ」では表現
できる色の領域が当然異なります。色空間だと複雑なのでわかりやすく
一次元のすごく単純化した例で示すと

 

紙(CMYK) [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
モニタ(RGB) [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13]

 

のように紙は0~10まで、モニタは0~13までのように、それぞれの媒体で
表現できる範囲が異なります。
RGBで作成したデータを紙に印刷する場合11,12,13のデータが含まれると
そのままでは表現できないことは容易に想像がつくと思います。
そこで変換するわけですがどう変換すればいいのでしょうか。
10以上は表現できないのだから飽和(サチュレート)させて全部10にする
という手があります。でもこれだと明るい色で階調が飛んでしまいのっぺり
してしまいます。ではもとの比率を保ったま範囲全体が0~10に収まるように
全部に10/13をかけるという手はどうでしょう。数学的には収まりがいいの
ですが、今度は正しく表現できていた領域にまで影響を与えてしまいます。
なかなか満足いく方法はありませんね。もともと表現が無理なものを
なんとかしようというのですから当然どこかにほころびが発生します。
(昔のアニメータが使用していたトレス台を利用して印刷物を見る前提なら
また話は変わるでしょうが)

 

CGやフォトレタッチを初めからCMYKモードで行う=表現できる領域に縛りを
つけることで作業中から(ある程度)印刷の仕上がりを予想することができます。
でも日頃制作物はネット公開で活動してる人からすると、この縛りはなかなか
希望の色が塗れずにイライラするかもしれません。

 

一方、紙でできてモニタで表現できないものに金箔等があります。
金箔(や金属)は物そのものの色ではなく、反射した周りの環境光が
位置によって変化するのを捉えて「ああ、これは金箔なんだな」と脳が
判断してるからです。見る位置を変えたときに色が変化しないと
ただの黄色や茶色と区別がつきません。写真撮影された金箔屏風が
全然金色に見えないのも位置に応じて色が変化しないためです。

 

と、書いてて思ったのですが

 

最近のノートPC、スマートフォン、タブレットではセルフィー(自画撮り)用
カメラが内側についています。これと画像解析ライブラリを利用すれば画面を
のぞき込んでいる人の顔の空間的位置がわかります。それはすなわち視線
ベクトル(顔面の法線ベクトル)が取得できるわけで、これと光源ベクトルとの
内積を計算すれば金箔の反射光がどれくらい目に入るかが求められます。
ジャイロも使用すれば端末への光源の差し込み角度もリアルタイムに変化
させられるので紙に印刷された金箔シミュレーションが可能なはずです。
これで見る位置によって金箔のテカリが動的に変化するPDFビュワーとか
作れそうですが、誰も作ってないところを見ると需要がないんでしょうね。

ページトップへ